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森の中に静かに佇む、温もり溢れる「美術館」

<岳温泉×JICA二本松特別企画>としてお届けする、ふらっとよりみちコラム。

JICA二本松とは、JICA海外協力隊として途上国に派遣される隊員たちが、派遣前に語学を中心とした訓練を受ける訓練施設です。ここで70日間の訓練を受け、アフリカやアジア、中南米、中近東へと渡り、2年間、途上国発展のために活動を行います。

日本中からさまざまな知識や経験をもった候補生が集まることから、地域を活性化させる「地域実践」という課外授業も行っており、今回も、取材班として岳温泉観光協会とコラボしていただきました。魅力溢れるあだたらのまちを、候補生独自の目線で発信していきます。

 

今回お勧めしたいのは、森の中に静かに佇む、温もり溢れる美術館です。

 

美しい安達太良山を背景に、岳温泉街から福島県道30号線をひたすら真っ直ぐ、南に向かってお散歩しながら向かうことにしました。

「少し遠いかな?」と心配しながら出発したのですが、歩いて正解でした!

 

道の左右には、日に照らされて水面のキラキラ輝くのどかな田園風景が広がり、鳥のさえずりやカエルの鳴き声が聞こえてきます。

その奥に広がる低山には、青々とした新緑が生い茂り、その上に雲の影が映り込んでいます。

青空の下、その雲の影が、心地よいそよ風に乗って形を変えながらゆったり流れていくのを眺めながら、このなんとも長閑な散歩道を歩いていきました。もうそれだけで贅沢な時間のように感じられました。

この豊かな自然の原風景もまた、ここ二本松市の魅力の一つだなぁなどとしみじみ浸っている間に、『あだたら高原美術館 青-ao-』が見えてきました。

森の木々に囲まれた、閑静な佇まいの建物です。

可愛らしい小さなエントランスのインターフォンを鳴らすと、中からオーナーである渡辺武郎さんが出迎えてくださいました。

 

突然の訪問にもかかわらず、「どうぞお上がりいただいてご自由にご鑑賞ください。」と、とても温かく迎え入れてくださいました。

 

ここは、平成13年(2001年)5月に、若手アーティストの育成と支援を目的として設立された、ご夫婦お二人で運営されている私設美術館だそうです。

毎週金・土・日曜日のみ開館しており、入館料はなんと無料ということでした。

 

1階の常設展示室は福島県にゆかりのある作家の方々の作品展示

2階は企画展・期間展示

 

一つ一つの作品に、愛情を込められて展示されていることが伝わってきます。

アットホームで温かな雰囲気に包まれながら、ゆっくりモダンアートを鑑賞することができました。

 

一通り鑑賞を終えると、大きな窓から森林の優しい木漏れ日の射し込む素敵な談話室に通されます。

美味しいお茶をいただきながら、ゆっくり余韻に浸るひとときを過ごすことができます。

オーナーの渡辺さんにお話を伺っていくと、渡辺さんご自身と奥様もまた、創作活動をされていらっしゃる現役の作家さんということでした。元々は美術を教える中学校教員でいらっしゃったという渡辺さんは、若者に、「創造・発信のエネルギー」や、「自己の表現」が出来ることの喜びや尊さを知ってほしいという願いを語られていました。そして、この美術館の設立の目的について、「若手作家の発表の場の提供」、「作家同士、または、作家と来場者の交流の場」「人々の語らいの場」であることを教えてくださいました。

「表現すること」について、とても興味深いお話をたくさん聞くことができました。

一方で、歴史家の一面もおもちの渡辺さんは、「安達太良山と万葉集」や「戊辰戦争」についてなど、ご講演もなさっていらっしゃるとのことでした。そんなお話もまた今度、ゆっくりお伺いしてみたいなと思いました。

「きっとまた遊びにきますね。」

別れを名残惜しみつつ、こんなに素敵な美術館に出会えたことへの余韻に浸りながら美術館を後にしました。

 

 

【あだたら高原美術館 青-ao-】

住所:福島県二本松市馬場平94-1

電話番号:0243-61-1312

開館日時:金・土・日曜日10:00~18:00

入館料:無料

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