夏の森を歩き、荘厳な雰囲気漂う名瀑・達沢不動滝へ
安達太良山とその周辺エリアの四季折々の魅力をお届けする「あだたらコラム」。今回ご紹介するのは夏におすすめの涼スポット、猪苗代町の達沢不動滝(たつさわふどうたき)です。
この滝は安達太良山系の船明神山を源とする不動川にかかる、福島県を代表する名瀑の一つです。「ふくしまの水三十選」「いなわしろ新八景」に選ばれており、2007年に放映されたNHK大河ドラマ『風林火山』のオープニングに登場したことでも知られています。駐車場から10分ほど歩くだけで見に行ける手軽さも魅力の一つですよ。
滝への出発点となるのは、安達太良山西麓にある中ノ沢温泉。温泉街から約5kmの場所にあり、車で10分弱で行くことができます。
温泉街を走る県道24号から右折して枝道に入り、所々にある案内板に従って道なりに進みます。小さな集落を過ぎるとやがて未舗装の細い林道になり、ほどなくして駐車場に到着します。
車を降りると、ひんやりとした空気と心地良い沢のせせらぎに包まれてホッと一息。駐車場の奥に鳥居があり、そこが達沢不動滝の入り口です。
鳥居をくぐると青々とした葉を茂らせる夏の森が広がっていて、あっという間に非日常の世界へと誘(いざな)われます。沢沿いに整備されている歩道はほとんど勾配がないので、お子さん連れの方や体力に自信がない方も無理なく歩けますよ(といっても舗装されていないので、歩きやすい靴がおすすめです)。
沢音や鳥のさえずりを聞きながら300mほど歩道を歩くと、「達沢不動明王」の鳥居が現れます。鳥居の奥には白く輝く滝が……! 達沢不動滝に到着です!!
実は達沢不動滝は、「男滝(おだき)」と「女滝(めだき)」という2つの滝の総称です。達沢不動明王の鳥居の先、正面にそそり立つのが男滝。一般的に達沢不動滝というと、こちらを指します。
高さ約10m、幅約16mの巨大な一枚岩を清冽な水が豪快に流れ落ちるさまは、圧倒されるほどの美しさです。黒い岩肌を白いレースのように覆う清流、そして鬱蒼とした木々の深緑のコントラストが、とにかく「絵になる」の一言。この絶景をカメラに収めようと、連日多くの写真愛好家が訪れるのも納得です。
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途切れることのない水音に耳を傾け、風に乗って飛んでくる霧のような水しぶきに包まれていると、日々の疲れがすーっと癒やされていきます。マイナスイオンをたっぷり浴びて、心と身体をリフレッシュしましょう♪
男滝の西側(向かって左手)には、白糸のような姿をひっそりと見せる女滝があります。力強い男滝と好対照をなす優美な女滝も、ぜひチェックしてくださいね。
滝の手前には達沢不動滝の名前の由来となった不動明王が祀られ、数多くの剣が奉納されています。この地は古くから密教と山岳信仰の霊場であり、多くの修験者が滝で身を清めたそうです。訪れる人を魅了してやまない達沢不動滝の荘厳な美しさには、こうした歴史的な背景も関係しているのかもしれませんね。
達沢不動滝へと至る沢沿いの歩道も、あちこちに苔むした岩があったり、岩を抱き込むように根をはる木があったりと、見どころがいろいろありますよ。ぜひのんびり散策しながら、夏の森と水辺を心ゆくまで楽しんでくださいね。
スポット情報
達沢不動滝
住所:福島県耶麻郡猪苗代町蚕養字達沢
電話番号:0242-62-2048(猪苗代観光協会)
駐車場:あり
ホームページ:https://www.bandaisan.or.jp