岳温泉の泉質・効能
豊富な源泉より引き湯した、
全国的にも珍しい「酸性泉」
岳温泉のお湯はpH値が2.5と低く、泉質は全国でも珍しい酸性泉です。酸性泉は殺菌力が高く、慢性皮膚炎やアトピーなどに効果があります。
また酸性成分がお肌の角質を溶かすことから、美容効果が高いことでも知られており、過去には「楽天トラベル 美肌の湯ランキング」にて全国3位にも選ばれました。
- 主な効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
引き湯
岳温泉の大きな特徴の1つが、源泉から温泉街までの引き湯の距離の長さです。その距離は実に「8キロメートル」と全国でも一、二を争うほどの長さを誇ります。
安達太良山の標高1500m付近の源泉から、山肌を伝う湯樋(ゆどい)を通り、約40分かけて温泉街まで湯を引いています。源泉から温泉街まで流れてくる間に、管の中で自然に湯もみされ、酸性泉でありながら肌にやさしい湯を楽しんでいただくことができます。
湯守文化
安達太良山からの8キロメートルの引き湯を支えているのが「湯守(ゆもり)」です。湯守の存在なくして、岳温泉は成り立たないと言えるほど、彼らは重要な存在です。
湯守は源泉と引き湯に関わること全ての管理を任されており、標高1500m付近の源泉での作業をはじめ、湯樋の管のメンテナンスや登山道の整備まで、その仕事は多岐に渡ります。特に積雪の多い冬季間は過酷で危険が伴う中、作業を行っています。
ミルキーデイ
ミルキーデイはその名の通り、源泉が牛乳のように白濁する日のことを指します。
湯守たちが「湯花流し(ゆばなながし)」という、湯樋に付着した湯花を流し落とす作業を行うことで、普段は透明のお湯が温泉成分たっぷりの湯花(ゆばな)で真っ白になります。夏期間は週に1回、冬期間は2週間に1回の頻度で行いますが、自然条件に左右されるため、ミルキーデイの日程は岳温泉観光協会の公式SNSにてお知らせしています。
第909号
温泉分析書別書
申請者
- 住所
- 福島県二本松市岳温泉1-82
- 氏名
- 岳温泉管理株式会社
源泉名及び採水地
- 源泉名
-
元湯(5源泉の混合泉、混合している源泉は下記のとおり)
源泉湧出地- 二本松市永田字元湯lの2
- 二本松市永田字元湯lの3
- 二本松市永田字元湯2の2
- 二本松市永田字元湯3の2
- 二本松市永田字元湯3の3
- 採水地
- 福島県二本松市岳温泉一丁目95、第一タンクにて採水
採水地における調査及び試験成績
- 調査及び試験者
-
分析機関の名称
一般社団法人福島県薬剤師会
氏名 後藤幸永 - 調査及び試験年月日
- 令和元年 8月23日
- 泉温
- 54.5℃(調査時における気温 25℃)
- 利用量
- 測定せず(自然泄出)
- 知党的試験
- 無色・澄明・微弱硫化水素臭・強酸味·少量の白色沈積物を認める。気泡なし。
- pH値
- 2.4
- 電気伝導率
- 0.167 S/m(25℃)
試験室における試験成績
- 試験者
-
分析機関の名称
一般社団法人福島県薬剤師会
氏名 渡邊智子、菅井正子、後藤幸永 - 分析終了年月日
- 令和元年 9月24日
- 知覚的試験
- 無色・澄明・無臭・強酸味・僅かに白色沈積物を認める(採水後72時間)
- 密度
- 0.9990(20℃/4℃)
- pH値
- 2.50
- 蒸発残留物
- 786.8 mg/kg(110℃)
試料1kg 中の成分、分量及び組成
- 陽イオン
-
成分 ミリグラム
(mg)ミリバル
(mval)ミリバル%
(mval%)水素イオン(H+) 4.0 3.96 39.01 ナトリウムイオン(Na+) 17.7 0.77 7.59 カリウムイオン(K+) 5.7 0.15 1.48 マグネシウムイオン(MG2+) 9.0 0.74 7.29 カルシウムイオン(CA2+) 27.6 1.38 13.60 アルミニウムイオン(AI3+) 27.1 3.01 29.66 マンガンイオン(Mn2+) 0.4 0.01 0.10 鉄(Ⅱ)(Fe2+) 1.2 0.04 0.39 鉄(Ⅲ)(Fe3+) 1.6 0.09 0.89 陽イオン 計 94.3 10.15 100 - 陰イオン
-
成分 ミリグラム
(mg)ミリバル
(mval)ミリバル%
(mval%)ふっ化物イオン(F-) 1.4 0.07 0.72 塩化物イオン(Cl-) 3.9 0.11 1.13 硫化水素イオン(HS-) 0.0 0.00 0.00 チオ硫酸イオン(S2O32-) 0.0 0.00 0.00 硫酸水素イオン(HSO4-) 27.6 1.38 13.60 硫酸イオン(SO42-) 430.8 8.97 92.00 炭酸水素イオン(HCO3-) 0.0 0.00 0.00 炭酸イオン(CO32-) 0.0 0.00 0.39 陰イオン 計 493.9 10.15 100 - 遊離成分
-
①非解離成分 成分 ミリグラム
(mg)ミリバル%
(mmol)メタけい酸(H2SiO3) 153.5 1.97 メタほう酸素(HBO2) 3.2 0.07 メタ亜ひ酸(HAsO2) 0.1 0.00 遊離硫酸(H2SO4) 0.6 0.01 非解離成分 計 157.4 2.05 - 溶存物質(ガス性のものを除く)
- 0.7465 g/kg
- 成分総計
- 0.7457 g/kg
②溶存ガス成分 成分 ミリグラム
(mg)ミリバル%
(mmol)遊離二酸化炭素(CO2) 0.0 0.00 遊離硫化水素(H2S) 0.1 0.00 溶存ガス成分 計 0.1 0.00 - その他の微量成分
-
成分 ミリグラム
(mg)銅イオン(Cu2+) 0.01未満 鉛イオン(Pb2+) 0.005未満 総水銀(Hg) 0.0005未満
泉質
- 単純酸性温泉
-
(旧泉質名 単純酸性温泉)
(低張性一酸性一高温泉)
(掲示用泉質名 酸性泉)
禁忌症、適応症等
(「温泉分析書別表」中5に記載する)
令和元年 9月24日
- 登録分析機関の名称
- 一般社団法人福島県薬剤師会
- 登録番号
- 福島第1号
- 所在地
- 福島市蓬莱町2丁目2番2号1
- 代表者の氏名
- 会長 町野 紳
温泉分析書別表(浴用)
源泉名 元湯(5源泉の混合泉、混合している源泉は下のとおり)
- 二本松市永田字元湯lの2
- 二本松市永田字元湯lの3
- 二本松市永田字元湯2の2
- 二本松市永田字元湯3の2
- 二本松市永田字元湯3の3
採水地
福島県二本松市岳温泉一丁目9 5、 第一タンク
温泉分析申請者
岳温泉管理株式会社
泉質名
単純酸性温泉(旧泉質名 単純酸性温泉) (掲示用泉質名 酸性泉)
分析結果による療養泉分類に基づく禁忌症、適応症等は環境省自然環境局長通知(平成26年7月1日)環自総発第1407012号によれば次のとおりである。
- 禁忌症
-
-
一般的禁忌症(浴用)
病気の活動期(特に熱のあるとき)、皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期 -
泉質別禁忌症 (浴用)
皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
-
一般的禁忌症(浴用)
- 適応症
-
-
一般的適応症(浴用)
筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経症、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進 -
泉質別適応症 (浴用)
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症
-
一般的適応症(浴用)
浴用の方法及び注意
温泉の浴用は、以下の事項を守って行う必要がある。
入浴前の注意
- 食事の直前、直後及び飲酒後の入浴は避けること。酪酎状態での入浴は特に避けること。
- 過度の疲労時には身体を休めること。
- 運動後30分程度の間は身体を休めること。
- 高齢者、子供及び身体の不自由な人は、1人での入浴は避けることが望ましいこと。
- 浴槽に入る前に、手足から掛け湯をして温度に慣らすとともに、身体を洗い流すこと。
- 入浴時、特に起床直後の入浴時などは脱水症状等にならないよう、あらかじめコップー杯程度の水分を補給しておくこと。
入浴方法
-
入浴温度
高齢者、高血圧症若しくは心臓病の人又は脳卒中を経験した人は、42℃以上の高温浴は避けること。 -
入浴形態
心肺機能の低下している人は、全身浴よりも半身浴又は部分浴が望ましいこと。 -
入浴回数
入浴開始後数日間は、1日当たり1~2回とし、慣れてきたら2~ 3回まで増やしてもよいこと。 -
入浴時間
入浴温度により異なるが、1回当たり初めは3~10分程度とし、慣れてきたら15~20分程度まで延長してもよいこと。
入浴中の注意
- 運動浴を除き、 一般に手足を軽く動かす程度にして静かに入浴すること。
- 浴槽から出る時は、 立ちくらみを起こさないようにゆっくり出ること。
- めまいが生じ、又は気分が不良となった時は、近くの人に助けを求めつつ、浴槽から頭を低い位置に保ってゆっくり出て、横になって回復を待つこと。
入浴後の注意
- 身体に付着した温泉成分を温水で洗い流さず、タオルで水分を拭き取り、着衣の上、保温及び30分程度の安静を心がけること(ただし、肌の弱い人は、刺激の強い泉質(例えば酸性泉や硫黄泉等)や必要に応じて塩素消毒等が行われている場合には、温泉成分等を温水で洗い流した方がよいこと)。
- 脱水症状等を避けるため、コップー杯程度の水分を補給すること。
湯あたり
温泉療登開始後おおむね3日~1週間前後に、気分不快、不眠若しくは消化器症状等の湯あたり症状又は皮膚炎などが現れることがある。このような状態が現れている間は、入浴を中止するか、又は回数を減らし、このような状態からの回復を待つこと。
その他
浴槽水の清潔を保つため、浴槽にタオルは入れないこと。
この別表は、温泉法第18条による掲示に必要な参考資料となるものである。